Dovelog

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heathnes

コリン・ブルックス、エド・ジャーディ、ゴーディ・クイストという3人の気鋭シンガー・ソングライターを擁するグループが、今時.....という感じのライヴ盤、しかも2枚をリリースした後に満を持して放ったスタジオ録音作。セス・ウィットニーがベースで、さらにジョン・チップマンがドラムで加入、数多くのショーを経て、ついに名実ともにバンドとして一枚岩となった感がある。プロデュースは、レイ・ワイリー・ハバード。何もしないのに何かをする、"Make it cool"という、ただそれだけの言葉の連発は、「お前らならまだ良いもんにできる。やってみろ」ということの裏返しだったのか。ミックスはジョージ・リーフとハバードが共同して行い、マスタリングはガーフ・モーリックス。

ゲストは4人で何れもオースティンのシーンの代表する顔ぶれだ。パティ・グリフィンのヴォーカルは3曲でフューチャーされ、美しい声の交歓を聴かせてくれる。2曲で聴かれるスティーブン・ブルトンによるブルージーなマンドリンは流石というしか無い。ハバードはスライド・ギターのソロとヴォーカルで1曲に客演し怪しい存在感を漂わせる。ガーフ・モーリックスはパンプ・オルガンで1曲に参加しているが、これは殆ど聴こえない。無用なことをしない人だけに、これはバンド側が単にその名前をクレジットしたかっただけではないかといううがった見方もしてしまう。

地力あるソングライターが3人居るだけに、曲に困ることは無い。また、本作で注目すべきことの一つは、ついにメンバー間の共作曲が登場したことであろう。3人による共作が1曲、クイスト/ジャーディによるものが4曲あり、音楽的にお互いを刺激しあっている。ギター・プレイヤーが3人居るだけに、サウンドの中心を成すのは当然ながらギター。とりわけコリン・ブルックスによるドブロとラップ・スティールが効いている。また、ジャーディによるピアノやオルガンも所々で隠し味的な効果をあげている。リゼントメンツ参加によって積み重ねた経験により一段上に昇った感のあるチップマンの、ビシッと引き締めるべきところは締め、緩めるべきところは緩めるというドラミングも見事。ウィットニーのベースも派手さは無いが、ソリッドな土台を作り出すことに徹しており好感がもてる。リード・シンガーが3人居るだけに、歌も力強い。ブルー・アイド・ソウルという表現がピタリくるジャーディ。いかにもテキサンという感じの男臭いクイスト。そしてどこかダークでミステリアスなブルックス。これら3人が順番にリード・ヴォーカルをとり、それぞれの声が交錯する瞬間がまた溜まらない"Jackson Station"はハイライトだろう。

ロック、ソウルにカントリーやブルースが垣根なく混ざり合うアメリカの心。どこがどうということでなく全体に70年代に興隆したアメリカのロックやシンガー・ソングライターからの影響が充満しているが、物真似でもなければ懐古でもない。力強く、真っ直ぐに、真ん中を歩む。奇をてらうこともなく、小細工もない。大河から発した支流のように、巨大な大樹の枝葉のように、自分達の国が育んできた音楽に対する敬愛が滲む。そして、ルーツはまた次の時代へのルーツを産んでゆく。既発のライヴ盤の印象からすれば、全体にやや抑え気味の印象を受けるが、じっくりと味わえば音の奥底にある静かな熱を感じる。また、その奥底に米南部~アパラチアまでに至る音楽の交差が垣間見えるようにも感じ、そこから想いは.....ザ・バンドへ。グリフィンにエミルー・ハリスの姿がダブる。"Maple Tears"の物語に何か秘めたるものがあるように思える。行き過ぎた表現であることは重々承知の上だし、比較するつもりなど毛頭ない。しかし、自分は期待している。彼らが奏でるのが、“ファースト・ワルツ”であることを。これが始りだということを。

Shuichi "Zapato" Iwami
たまにしか書けないぶん、書く時はそれなりに書こうじゃねえかということで。しかも、このバンドに関しては個人的に推しまくりたいし。まあ、幾分というか、固い感じに書いたんで、追記ではもっと気楽に。

さてさて、ヘッフォンなんて全然使わなかった昔に比べると、(iPodで)ヘッドフォンばっかりになったからこそ気づきやすくなった点というのもあって。そこで、"Jackson Station"という曲。ゴーディから入って、コリンに繋ぎ、ここまで普通の定位で、リフレイン直前でゴーディが一瞬右から入り、リフレインで左からエド、右にコリン、真ん中というかヘッドフォンだとゴーディが上から来る感じ。次のヴァースはエドから入っていく.....「おぉ、これこれ....!」みたいな。

<脱線:ゴーディのヴォーカルが、何だかコリンに近いほうに寄ってきてる感じする。ソロのセカンドからそういう傾向があったけど。これがちょっと、どうなのかなという>

比較じゃあないし、「誰々みたいに」ということでもないんだけど.....いや、難しい。そうは考えつつ、彼らには無意識の内に、“自分の世代の”ザ・バンドを見てるのかもしれない。ザ・バンドの魅力というのは、それこそ色っ色あるけど個人的にはあのヴォーカルの絡みが一番かも。ユニゾンだかハーモニーだか両方だか、それともどれでもないのかっていう。"Jackson Station"を聴くと、もう少し、この方向でヴォーカルを作ってみても良かったんじゃないかと。

初めてこのアルバムの音を、それもサワリだけ聴いた時、編成だとか何だとか、それら諸々のことなんて何もナシで、“ザ・バンド”が頭ん中にバーッと出てきたという。それで、こうしてアルバムを聴いてみると、直接的な要素はほとんど無い(と思う<ザ・バンドっていうことなら、アミティ・フロントなんていう方がもっと直で繋がるし>)のに、改めてそう感じる。ラスト・ワルツ。あれが思い出される。

ただし、このバンド、南部、西海岸のエッセンスも多分に感じられるし、そういうモンを全部混ぜ合わせて、その上でさらに彼らの色もあって.....という。サウンドもそうなんだけど、前述のヴォーカルに関しても実際、西海岸的な華麗とでもいうのか、そういうハーモニーもあったりするし。

これは「逃げ」でも、「予防線」でもないことを重々お断りしておきますが、実のところこのアルバム、本当に本当の意味で「最高」じゃないと思う。この11日から家で電車でもう通して40回近く聴いてるけど、まだまだ.....まだまだこんなモンじゃないな、という。普通なら、「やったね!」で済ませるかもしれないけど、こと彼らに関しちゃ余計に傑作とか名盤なんて言葉を使いたくない。それに、最高傑作なんて、死ぬ迄出来ないほうが幸せ.....かもしれないしね。

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コメント
忘れもの
おっと、基本的なことを忘れてました。
以下、オフィシャルのウェブサイトです。

http://www.bandofheathens.com/

例によってマイスペースも。

http://www.myspace.com/thebandofheathens

そして、やはり元メンバーのこの人も忘れてはいけません。

http://www.myspace.com/briankeane
2008/05/16(金) 11:35:20 | URL | Twang #-[ 編集]
お久しぶりです。
早速、楽しみな情報入手出来、喜んでます。
これは、楽しみですね~
生でも是非観てみたいBANDです。

また、素晴らしい音、紹介してくれるのを楽しみにしてますネ。
でわでわ。
2008/05/18(日) 03:04:04 | URL | Yass #szTeXD76[ 編集]
ライヴのDVDも出てます
Yassさん、有り難うございます。
このバンド、ライヴのDVDも出てます。
こんな感じで長めにはあまり書けないと思いますが、ぼちぼちやっていきたいと思います。
2008/05/19(月) 07:23:52 | URL | Twang #-[ 編集]
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2010/08/13(金) 19:10:32 | | #[ 編集]
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2008/05/15(木) 00:09:57 | 橋下駄の音
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